プレスリリース
平成29年 11月27日
国立研究開発法人水産研究・教育機構
国立研究開発法人水産研究・教育機構
選抜交配により低魚粉飼料でも成長の良いニジマスを作出
- ●低魚粉飼料で成長の良い個体を選抜交配したニジマスで,成長や飼料効率が改善。
- ●コストを抑えた低魚粉飼料によるニジマスの養殖が期待されます。
世界的な養殖の発展に伴い,養殖用飼料の主原料の魚粉が不足気味で価格が高騰しています。そのため,魚粉の配合率を減らしコストを下げた低魚粉養殖用飼料の開発が求められています。養殖で飼料代は全生産コストの6 割前後を占めることから,養殖業の健全化には安価な低魚粉飼料でもよく育つ魚が必要です。
水産研究・教育機構と山梨県は,東海大学および日本大学との共同研究※により,ニジマスに低魚粉飼料を与えて飼育し,成長の良い個体同士を交配して次世代の稚魚を作出しました。この稚魚に低魚粉飼料を与えて飼育したところ,親を選抜せずに作出した稚魚に比べ,成長や飼料効率を改善できました。
今後は選抜・交配を繰り返して低魚粉飼料でもより成長する稚魚を作出し,養殖業者への技術の普及や稚魚の配布を視野に入れた取り組みを行う予定です。マス類の養殖用稚魚は、主に公的機関や養鱒業者が供給していますが,今回開発した方法は現場ですぐに使える方法です。低魚粉飼料に適したマス類の生産が普及することで,養殖経営の改善が期待されます。
※本件は、水産研究・教育機構増養殖研究所,山梨県水産技術センター,東海大学および日本大学生物資源科学部の共同研究,「低魚粉飼料を与えて良好な成長を示すニジマスの家系作出に関する研究」の成果です。
本件照会先:
国立研究開発法人 水産研究・教育機構 | ||
増養殖研究所 養殖システム研究センター | 山本 剛史 | TEL:0596-58-6493 |
増養殖研究所 業務推進部 | 大迫 典久 | TEL:0599-66-1831 |
山梨県水産技術センター | ||
忍野支所 | 三浦 正之 | TEL:0555-84-2029 |