プレスリリース

平成21年5月29日
(独)水産総合研究センター
音響・光学複合生物観測システム(J-QUESTχ)開発に成功!
~深度500mハダカイワシ類の観測も可能に~
ポイント
 ・音響によりハダカイワシ類の現存量推定が可能になった
 ・深度500mまでの魚種・体長・遊泳姿勢の測定も可能になった

 独立行政法人水産総合研究センターは、音響・光学複合生物観測システム(Japanese Quantitative Echosounder and stereo-video camera system χ, J-QUESTχ)を開発し、外洋生態系を構成する重要種であるハダカイワシ類について、その現存量及び生態的知見の把握のための手法を確立しました。
 本システムは、一尾当たりの音響反射強度(ターゲットストレングス)を測定できる機器であり、これによりハダカイワシ類の現存量の推定を可能にしました。また、ビデオカメラにより、ハダカイワシの遊泳状態等を観測できます。使用深度は、500 mまで可能であり、これまでは、深海にいてネット採集でしかわからなかったハダカイワシ類の情報を直接観測できるようになりました。
 今後、調査船装備の計量魚群探知機とJ-QUESTχを組み合わせた観測を続けることにより、ハダカイワシ類の現存量が明らかになるとともに、その垂直分布の状態や、遊泳速度、遊泳姿勢などの行動について、多くの知見が得られることが期待されています。 J-QUESTχは、今年度は、インド洋におけるトビイカの調査や宮城県沖の資源調査での活用が予定されています。


<参考資料>
中・深層生態系の物質循環の鍵となるハダカイワシ類
J-QUESTχ 詳細・写真

本件照会先:
独立行政法人 水産総合研究センター
経営企画部 広報室 広報企画係長 佐野春美 TEL:045-227-2624
水産工学研究所 漁業生産・情報工学部 水産情報工学グループ 資源計測技術研究チーム  チーム長 澤田浩一 TEL:0479-44-5948