プレスリリース
平成21年8月14日
(独)水産総合研究センター
(独)水産総合研究センター
クロマグロ稚魚の採集により生態が判明
ポイント
・これまで謎であった稚魚期の生態知見が得られた
・クロマグロ養殖用種苗であるヨコワの早期漁況予測に貢献
水産総合研究センターは、本年6月、クロマグロの主要な産卵場である南西海域でトロール網を使った調査を実施し、ふ化後2週間~1ヶ月程度と推定される体長2cm前後のマグロ類稚魚230個体の採集に成功しました。採集した稚魚の一部をDNA分析した結果、約3分の1がクロマグロであることが確認されました。また、クロマグロの稚魚は、黒潮近くの表面水温26~27℃の海域に多く生息することがわかりました。
今回のようにまとまった数のクロマグロ稚魚が採集できたことは、日本だけでなく世界でも初めてです。これによりこれまで不明であった養殖用種苗として知られる「ヨコワ」になる前の段階の知見を得ることができます。
この成果は、クロマグロ資源の動向をできるだけ早期に把握するための重要な基礎情報としてクロマグロ資源管理に活用するほか、ヨコワの漁獲が始まる前の段階で漁況を予測するための貴重な情報としても活用していきます。
<参考資料>

写真1 2009年6月10日に久米島の西方約70km沖で採集された
クロマグロを含むマグロ類の稚魚 体長13mm~35mm

写真2 DNA判定によりクロマグロと確認された体長20.5mmの稚魚

(水温図については気象庁HPより引用)
本件照会先:
独立行政法人水産総合研究センター
経営企画部 広報室 広報企画係長 佐野春美 TEL:045-227-2624
遠洋水産研究所 温帯性まぐろ資源部 生物特性研究室 室長 田邉智唯 TEL:054-336-6045
独立行政法人水産総合研究センター
経営企画部 広報室 広報企画係長 佐野春美 TEL:045-227-2624
遠洋水産研究所 温帯性まぐろ資源部 生物特性研究室 室長 田邉智唯 TEL:054-336-6045