プレスリリース

平成21年9月11日
(独)水産総合研究センター
赤潮プランクトン「シャットネラ」のシスト監視による早期発生予察へ
~シストが発芽する瞬間も明らかに~


 独立行政法人水産総合研究センターは、この夏、有明海・八代海で猛威をふるった有害赤潮プランクトン「シャットネラ」が、多数のシスト(種にあたる休眠細胞)を残すことを確認しました。さらに、シストが発芽する瞬間を世界で初めて撮影することに成功しました。
 シャットネラのシストは海底の泥の中で休眠・越冬し、初夏に水温が上昇すると栄養細胞が発芽して分裂・増殖し、赤潮を形成します。
 赤潮発生前の本年6月に有明海・八代海の25定点を調査して、海底の泥1gあたり最大45個のシストを確認しました。一方、赤潮発生後の8月20日には八代海北部3定点で、最大2193個/gと過去に例のない高い値に達しており、新たに形成されたシストが相当量海底泥中に補給されたことがわかりました。
 シストは数年間、休眠できますが、環境条件が整えば翌年の初夏には発芽します。赤潮被害を防ぐためには赤潮生物の生活史全体の理解が必須です。そこで発芽に最適な環境条件を与えて培養したところ、開始後6日目にシストが発芽する瞬間を確認し、その映像をとることができました。発芽開始から赤潮プランクトンが遊泳し始めるまでに要する時間はわずか5分であることも明らかになりました。
 これまで、主に海水中に漂う赤潮プランクトンの個体数を監視することによって赤潮の発生予察が行われていましたが、今後は、両海域における泥中のシストの数と環境条件を監視して、赤潮発生の時期や規模の早期予察に努めていきます。


  1.  ・シャットネラの参考ページ(PDFファイル)

シャットネラの生活史
≪シャットネラ参考ページ 図1≫
※図をクリックすると拡大されます


  1.  ・シストの発芽過程≪シャットネラ参考ページ 図2≫  (PDFファイル)



 ・タイトル:シャットネラのシスト発芽過程(6倍速)

 時間:49秒
 映像画質
   掲載版:213×160pixel,29.97fps,28.8kbps,約2MByte,FLV形式
   原版 :320×240pixel,29.97fps,1024kbps,約1.6GByte,4分59秒,AVI形式
 映像の貸出については、広報室までご連絡下さい


本件照会先:
独立行政法人 水産総合研究センター
経営企画部 広報室 広報企画係長 佐野春美 TEL:045-227-2624
瀬戸内水産研究所 赤潮生物研究室長 山口峰生 TEL:0829-55-3695