プレスリリース
平成21年9月17日
(独)水産総合研究センター
(独)水産総合研究センター
えっ、海にブドウ糖注射?
海水に点滴をするとアサリ稚貝が良く育つ効果を立証
海水に点滴をするとアサリ稚貝が良く育つ効果を立証
独立行政法人水産総合研究センターは、アサリに餌料を与えて飼育する際、海水にブドウ糖を添加しておくことで、アサリの成長速度が約3割促進されることを発見しました。ブドウ糖はアサリの餌そのものではなく、栄養補助剤(サプリメント)として栄養不足を改善します。
また、出荷前のアサリをブドウ糖添加海水に24時間浸漬すると、旨味成分であるコハク酸の体内含量が2.8倍(総有機酸含量も1.5倍)増加することがわかりました。
1909年にPutterが、アサリなどを含む海の無脊椎動物の多くは、粒子状の餌とは別に海水中に溶けている栄養を表皮から直接体内に取り込むことができるという仮説を提示していました。しかし、実際に成長が促進されるなどの効果については100年間誰も証明していませんでした。
今回の成果を応用することによって、アサリの飼育期間が短縮され、病気や水質の悪化等で死亡するリスクの軽減等が図られます。また、アサリ種苗の生残率向上、大量生産技術の確立に貢献することが期待できます。
さらに、ブドウ糖添加海水への浸漬効果により、放流用種苗の成長促進だけでなく、畜養貝の付加価値アップが期待できる点も注目されます。
本成果は、おいしいアサリを効率よく育てる技術として特許出願しており、9月30日~10月3日開催(盛岡市)の日本水産学会で発表する予定です。
・参考ページ(PDFファイル)

≪ブドウ糖注射のアサリ参考ページ≫
※図をクリックすると拡大されます
本件照会先:
独立行政法人 水産総合研究センター
経営企画部 広報室 広報企画係長 佐野春美 TEL:045-227-2624
瀬戸内水産研究所 生産環境部 内田基晴 TEL:0829-55-0666
独立行政法人 水産総合研究センター
経営企画部 広報室 広報企画係長 佐野春美 TEL:045-227-2624
瀬戸内水産研究所 生産環境部 内田基晴 TEL:0829-55-0666