プレスリリース

平成22年9月14日
水 産 庁
(独)水産総合研究センター
日本海におけるクロマグロ仔稚魚分布調査の結果について

 水産庁と(独)水産総合研究センターは、平成22 年8 月16 日から、日本海においてクロマグロの仔稚魚分布調査を実施しました。その結果、日本海でのクロマグロ稚魚等の採集に成功しました。

1.結果概要
 水産庁と(独)水産総合研究センターは、本年8 月、島根県、鳥取県、石川県とともに、クロマグロの産卵場の推定及び初期生態の解明を目的に、クロマグロの主要な産卵場の1 つである日本海で、クロマグロの仔稚魚の採集と水温・海流等の調査を実施しました。
 その結果、能登半島の北沖から佐渡島の北沖でふ化後1 ~ 2 ヶ月と推定される体長4cm~ 12cm のクロマグロ稚魚19 個体の採集に成功しました。
 また、山口県西部沖から島根県沖で体長3cm ~ 18cm のコシナガ(マグロの仲間)の稚魚30 個体を採集しました。

2.調査の意義
 太平洋クロマグロは、我が国南西諸島水域と日本海を主な産卵場としており、産卵場、産卵時期等を把握し、産卵親魚や未成魚を適切に管理していくことは、資源の持続的利用のために必要不可欠です。しかしながら、南西諸島水域の産卵場と比べ、日本海については知見が少ない状態にありました。
 特に、仔稚魚については、これまで日本海での採集例は少なく、分布や成長、生残や食性等の生態は明らかになっていませんでした。

 本調査の結果、8 月の後半に、日本海生まれと考えられる小型のクロマグロ稚魚が採集できたことから、今後調査を継続することにより、秋から冬に日本海沿岸各地で漁獲される体長40cm ~ 50cm の当歳魚(0 歳魚)の生態の解明につながる重要な知見を得ることができると考えられます。

 この成果は、日本海でのクロマグロ資源の動向をできるだけ早期に把握する手法の開発に役立てるとともに、クロマグロ資源の持続的利用のための管理方策の策定に活用していきます。



別紙参考資料「採集された稚魚」(PDF 177KB)←こちらをクリック

本内容は水産庁ホームページでもご覧頂けます。



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