プレスリリース

平成22年9月30日
(独)水産総合研究センター
水  産  庁
ウナギ産卵場生態調査の結果について

 水産庁と(独)水産総合研究センターは、漁業調査船「照洋丸」及び「開洋丸」により、マリアナ諸島西方の太平洋においてウナギ産卵場生態調査を実施し、産卵海域周辺においてウナギの成魚及び仔魚を捕獲したほか、ウナギの遊泳行動パターンを観察しました。

1.調査船及び調査期間
 i.調査船
  ・水産庁漁業調査船   照洋丸(2,214 トン)
  ・水産庁漁業調査船   開洋丸(2,630 トン)

 ii.調査期間
  ・照洋丸:平成22 年7 月 5 日~ 8 月23 日
  ・開洋丸:平成22 年7 月28 日~ 9 月22 日



2.調査方法及び結果義
 i.照洋丸
 ・超音波発信器を装着した天然・養殖ニホンウナギ成魚をマリアナ諸島西方の推定産卵海域において放流し、遊泳行動パターンを観察しました。一週間にわたる連続した追跡調査が初めて実施でき、この結果、夜間は水深150 ~ 250m 程度を遊 泳し、昼は350 ~ 650m 程度を遊泳することを確認しました。
 ・推定産卵海域から約500km 西の海域において、ふ化後1 ヶ月経過したウナギ仔魚5 個体を採取しました。

 ii.開洋丸
 ・推定産卵海域付近においてニホンウナギのオス1 個体(全長43cm)を捕獲しました。
 ・推定産卵海域付近及び同海域から西約500km の海域並びに北西約800km の海域でふ化後約3 週間~ 2 ヶ月経過したニホンウナギの仔魚計5 個体を採取しました。
 ・西マリアナ海嶺周辺の広い範囲で中層トロール網、プランクトンネット、海洋環境の各調査を実施、各種データを蓄積しました(データは今後解析)。


(注)上記種名は、いずれも外部形態から判断したものです。今後速やかにDNA 鑑定を実施し、種を確定させる予定です。

 今調査で得られたウナギサンプルや各種データについては、今後さらに精査、解析され、ニホンウナギの生態解明や餌料開発をはじめ、ウナギ養殖技術の発展に寄与することが期待されます。


<添付資料>
調査海域、捕獲されたウナギの写真等
調査結果の詳細


本内容は水産庁ホームページでもご覧頂けます。


本件照会先:
水産庁
増殖推進部 漁場資源課 国際資源班 田原、香川 (代表)03-3502-8111 (内線6803) (ダイヤルイン)03-6744-2380 (FAX)03-3592-0759

独立行政法人水産総合研究センター
経営企画部 広報室 広報企画係長 佐野 TEL:045-227-2624
中央水産研究所 浅海増殖部 張、黒木 TEL:046-856-2887