プレスリリース

平成23年7月8日
独立行政法人水産総合研究センター
瀬戸内海中央部においてトラフグ稚魚 10 万尾を放流
~種苗放流による資源回復を目指して~

 トラフグはてっちりなどの高級食材としてわが国の食文化に欠かせない魚です。しかし、近年のトラフグの漁獲量は盛期の10%まで激減しており、本種の資源回復に向けた対策が急務となっています。

 瀬戸内海中央部は、重要な産卵場や成育場が存在するにもかかわらず、これまでは、すべての個体に標識を施した大規模な放流・追跡試験は行われてきませんでした。

 そこで、水産総合研究センター瀬戸内海区水産研究所では、平成23 年6 月下旬から7 月上旬にかけて瀬戸内海中央部の広島県田尻漁港の周辺海域に全長約8 ㎝の稚魚10 万尾に右胸鰭カット標識、耳石への蛍光色素による標識、及び当センターが新たに開発した腹部への有機酸(酢酸)標識の3 種類を同時に装着して放流・追跡試験を行います。放流後は、瀬戸内海、日本海および東シナ海の広域において、放流魚の移動および資源への添加効果、さらに、再生産効果を調べて、本種の資源回復に向けた放流技術の開発に取り組みます。この取り組みは地域水産業の活性化に大きく貢献するものと期待されます。

参考資料

本件照会先:
独立行政法人水産総合研究センター
経営企画室広報室 広報コーディネータ- 角埜 彰 TEL 045-227-2624
瀬戸内海区水産研究所 増養殖部長 與世田兼三 TEL 0829-55-3547
業務推進課長 吉田勝俊 TEL 0829-55-3406