プレスリリース

平成23年9月29日
独立行政法人水産総合研究センター
魚類養殖の生産性向上に有効な遺伝子を特定
~可食部位が約2倍になる品種開発が可能に~

高産肉性(肉が多くとれる性質)、高成長等の品種改良が進んでいる家畜、家禽に比べ、魚類では、優良品種の開発がほとんど進んでいません。農作物については、紫外線、放射線や化学物質を用いて自然には低い頻度でしか起こらない突然変異を、より高頻度で起こさせて優良な品種の選抜を行う突然変異育種法によって数多くの品種が作出されています。この突然変異育種法を、我々は、世界に先駆けて、魚類の優良品種の開発に応用する研究行ってきました。

水産総合研究センターと慶應大学の研究グループは、突然変異のメダカを人為的に作出して筋肉量の調整に関わる遺伝子を調べ、高産肉性のウシと全く同じ遺伝子の変異を持つメダカを発見しました。このメダカの筋肉量は、通常のメダカに比べて、体長あたりの骨格筋量(可食部位量)が1.5~2倍多いことを確認しました。今回の成果から、突然変異育種法を利用して、魚類においても高産肉性品種を含む様々な優良品種が開発できることが示されました。

別紙資料

*本研究成果は、(独)農業・食品産業技術総合研究機構生物系特定産業技術研究支援センターが実施する「イノベーション創出基礎的研究推進事業」の平成20年度採択課題「突然変異育種法を利用した養殖魚の効率的な新品種作出技術の開発(研究代表者:吉浦康寿主任研究員)」の一環として行われたもので、米国発生生物学会誌(Developmental Biology誌)に掲載されました。

本件照会先:
独立行政法人 水産総合研究センター
増養殖研究所 水病害防除部 吉浦 康寿 TEL:0596-58-6438
業務推進課 澁野 拓郎 TEL:0599-66-1832
経営企画部 広報室  角埜 彰 TEL:045-227-2624