プレスリリース

平成24年5月28日
独立行政法人水産総合研究センター
環境負荷ゼロを実現し、コスト削減にも繋がる閉鎖循環式ワムシ連続培養システムを開発しました!!
・ワムシ大量培養において、30日間で約2万~12万リットル出ていた廃水をゼロにできます。

シオミズツボワムシ(以下,ワムシ)は海産魚類の種苗生産に不可欠な初期餌料です。これまでのワムシの大量培養では培養過程でワムシの糞や死骸等の有機物を含む培養廃水が発生するため,廃水の処理の施設やその機能維持に費用がかかっていました。

これらの対策として水産総合研究センター日本海区水産研究所では,高品質なワムシが長期間,安定生産できる連続培養法のシステムに培養廃水を再利用するための装置を組みこんだ、閉鎖循環式のワムシ連続培養システムを設計しました。特に濾過槽内部の構造を改善し、廃水処理能力が高くなるように工夫しました。

本システムを用いたところ,全ての培養試験で新たな海水を全く利用することなく30日間の連続培養に成功し、毎日約40億個体のワムシ(ヒラメ約40万尾分の餌)が安定生産できました。本システムの利用により、これまで約2万~12万㍑出ていた廃水を全く出さない、環境にやさしいワムシの大量培養とコスト削減が可能になります。

今後,本システムのさらなる高度化や種苗生産現場への普及に向け,適正な培養条件や管理法の検討や様々なワムシ株を用いた培養試験等を継続していきます。

別紙

本件照会先:
独立行政法人 水産総合研究センター
日本海区水産研究所 資源生産部 初期餌料グループ  手塚 信弘 TEL:0767-84-1182
経営企画部 広報室  角埜 彰  TEL:045-227-2624