プレスリリース
独立行政法人水産総合研究センター
~自動観測ブイによる八代海の赤潮対策~
・海面から水深約40m までの水温・塩分・クロロフィル・流向流速・風向風速を自動観測、携帯電話でもリアルタイムで閲覧可能
八代海では平成20~22 年と3 年連続でシャットネラを原因プランクトンとする赤潮が発生し、ブリ等を扱う養殖業が83 億円超の大被害を受けました。この主な原因は、大規模かつ長期にわたり発生した赤潮が風や潮汐により養殖漁場へ輸送されたことによるものと考えられます。しかしながらこれまで、当海域での複雑な海水の動きをリアルタイムで把握することはきわめて困難でした。
こうした問題を解決するため、独立行政法人水産総合研究センターでは、八代海をモデル海域として自動観測ブイとデータをリアルタイムで公表するシステムの開発に取り組み、このたび、6 月8 日から2 基の自動観測ブイによる「八代海におけるリアルタイム水質情報」(http://www.yatsushiro-kai.jp/yatsushiro_top.htm)を公表しています。
これにより、平成23 年5 月から公表している「有明海・八代海のシャットネラ等有害赤潮プランクトン分布情報」(http://www.chattonella.jp/)と合わせ、有害赤潮の発生状況とその分布動向を詳細に把握することが可能となります。また、餌止めや生け簀の移動など、養殖魚を赤潮から守るための方策を迅速に講ずることができ、漁業者の赤潮対策等に大きく貢献できるものと期待されます。さらに当センターでは、このシステムで得られる情報を赤潮の発生機構解明に役立てることで、赤潮被害軽減に向けた研究に引き続き取り組んでいきたいと考えています。
※「八代海におけるリアルタイム水質情報」、「有明海・八代海のシャットネラ等有害赤潮プランクトン分布情報」は西海区水産研究所ホームページ(http://snf.fra.affrc.go.jp/)からもご覧いただけます。
※※この成果は水産庁補助事業「効率的な赤潮・貧酸素水塊連続観測技術の開発」によるものです。
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