プレスリリース
平成24年6月22日
独立行政法人水産総合研究センター
独立行政法人水産総合研究センター
効率的ながれき集積・回収のための専用網「タオル網」を開発しました
・がれき集積・回収のための専用の網を開発しました
・開発した網は、地元漁業者自身によるがれき回収に活用されています
・開発した網は、地元漁業者自身によるがれき回収に活用されています
東日本大震災の津波により東北地方を中心に、がれきが大量に海に流出しました。環境省の「東日本大震災により流出した災害廃棄物の総量推計」によれば、岩手県、宮城県、福島県から海に流出したがれきの総量は約500万トンでその7割が海底に堆積しています。海底に堆積したがれきは、魚介類を漁獲する際、漁具を破損したり漁獲物を傷つけたりして、漁業の大きな障害となっています。小さいがれきは底びき網による撤去も行われていますが、網が破れるなど多くの問題がありました。そのため、広範囲に散乱した小さいがれきを効率的に撤去する漁具の開発が求められていました。
漁具の開発に先立ち、宮城県、地元漁業者、東北大学との協議を重ね、がれきの集積・回収の方針を定め、専用のがれき集積・回収網の仕様をまとめました。完成したがれき集積・回収用の専用網は、集めたがれきが網に絡みにくい構造が必要であったことから、これまでの知見を基に大型クラゲの破砕に使われた網を参考にして、その形状が一枚のタオルのような形状となっています。宮城県、漁業者団体、漁網メーカー担当者も参加して、この「タオル網」の現場海域での試用試験を行った結果、当初の目的であったがれきの集積には充分使用できるめどがつきました。さらに、小型がれきが多いような場合には、小型漁船で安全に船上に回収できるように、網の構造を浅い袋網状に改良することによって、より効果的ながれき回収が期待できることもわかりました。このような改良も行い、現在、地元漁業者自身によるがれき回収が進められています。
本件照会先:
独立行政法人 水産総合研究センター | ||
水産工学産研究所 | 水産業システム研究センター 明田 定滿 | TEL:0479-44-5950 |
経営企画部 | 広報室 角埜 彰 | TEL:045-227-2624 |