第10回地域水産加工技術セミナーを開催しました
越前町、水産庁と水産総合研究センターの共催による第10回地域水産加工技術セミナー「新たな越前ブランドの創出に向けて~クラゲ転じて福となす~」を平成19年6月13日(水)に福井県越前町の越前生涯学習センターで開催しました。
このセミナーは、公的試験研究機関等が有する水産利用加工に関する研究成果等を地元の水産加工業者をはじめとする関係者の皆様にお伝えするとともに、現場のニーズを把握することにより水産加工に関する技術の向上を図ることを目的として平成15年から開催しているもので、今回で10回目となりました。当日は好天にも恵まれ、漁業関係者や水産加工・流通関係、旅館など越前町内外からから約120名の方々に参加いただきました。
越前町は、カニの町として知られおり、その越前ガニというブランドは全国的に有名で高い評価を得ています。
また、カニだけに留まらず、サバやカレイ、ホタルイカなど多種多様な水産物が水揚げされ、こうした恵まれた水産資源と風光明媚な自然は観光地として大変魅力的です。その一方で、近年では招かざる客(大型クラゲ)も頻繁に訪れるようになり、漁業に大きな被害をもたらしております。このため、水研センターを始めとした研究機関が、農林水産省の事業等で大型クラゲについて、資源・海洋・工学・利用の各分野の視点から研究に取り組んでいます。
さらに、最近では、各地で、漁業にとっては厄介者である大型クラゲを何とか有効活用しようという取組みが行われております。こうした取り組みを中心に、日本海の海洋環境、福井の伝統的な加工、地域ブランド化に向けた戦略などについて、7題の講演を行いました。
副題に「クラゲ転じて福となす」とあるように、ピンチをチャンスに変えるような発想の転換のヒントとなっていれば幸いです。
・議事次第
1)挨拶
主催者挨拶 越前町副町長(宮川 清治)
水産庁増殖推進部参事官(魚住 雄二)
来賓挨拶 福井県農林水産部長(吉田 優一郎)
2)講演
・日本海における海洋環境の変化と大型クラゲの大量来遊
(独)水産総合研究センター 業務企画部 中田 薫
・クラゲは生でも美味しく食べられる! ~発想の転換で新たな商品開発を
(株)くらげ普及協会 福田 金男
・クラゲ加工法の徹底追求! ~厄介者 大型クラゲの利用に向けた取り組み
(独)水産総合研究センター 中央水産研究所 岡崎 恵美子
・創ろう!育てよう! 福井の特産品
-欠点をカバーし、県産にこだわった商品開発
福井県醤油味噌工業協同組合 岡松 幸仁
-えくらちゃんさくさくクッキー誕生秘話
福井県立小浜水産高校 松下 泰山、小坂 康之
・福井の特産品の価値を見直す~発酵技術を利用した低利用魚の有効活用について~
福井県立大学 生物資源学部教授 赤羽 義章
・水産物の価値を最大に~利用加工技術とブランド化戦略~
(独)水産総合研究センター 中央水産研究所 木村 郁夫
3)閉会の挨拶
(独)水産総合研究センター 理事 井貫 晴介
このように当セミナーを無事開催できたのも、熱心にご準備いただいた越前町・福井県の関係者、幅広くに参加を呼びかけていただいた後援各団体の皆様など多くの方々の協力によるものです。厚く御礼申し上げます。
会場となった越前生涯学習センター
越前町副町長の挨拶
会場の様子
会場内のパネル展示