世界の水産科学者が横浜に集い、活発な研究報告や交流が行われました!

 世界水産学会議(WFC)は、世界中の水産学研究者が一堂に会する学術会議で、1992年ギリシャでの第1回目から4年おきに開催され、このたび第5回目が日本・横浜市のパシフィコ横浜で開催されました。
 今回は「世界の福祉と環境保全のための水産業」をテーマに、世界57カ国から1590名が参加し、51のセッションで729件の口頭発表、550のポスター発表が行われ、過去最大規模の会議となりました。次回の会議は、2012年スコットランドのエジンバラで開催される予定です。以下、主な企画の模様をご紹介します。

○開会式と記念式典
 平成20年10月21日パシフィコ横浜国立大ホールにおいて開会式が開催され、主催者の一員として水産総合研究センター中前理事長もご挨拶を申し上げました。
 また、22日には天皇、皇后両陛下をお迎えし、野田聖子科学技術担当大臣のご臨席の下、同ホールにおいて記念式典が開催され、水産研究に縁の深い天皇陛下より「海の環境を守り、水産生物を持続的に利用していくためには、世界の水産学者の国境を越えた協力が重要」とのお言葉がありました。
 23日の夕刻には、松沢神奈川県知事、中田横浜市長のご臨席の下、横浜大桟橋ホールにおいてバンケットパーティーが盛大に開かれ、きらびやかな横浜港のイルミネーションを背景に、参加者によるジャズ演奏や和太鼓演奏も飛び出し、海外からの参加者も笑顔が絶えませんでした。


記念式典で挨拶する中前水研センター理事長

バンケットでは横浜らしくジャズの演奏もありました

松沢神奈川県知事

中田横浜市長(右)からもお祝いのご挨拶を頂きました
































○サテライトシンポジュウム
1.まぐろ養殖の現状と今後の展開
 水産総合研究センターまぐろ研究所は、第5回世界水産学会議の一環として、10月26日に横浜市開港記念館においてサテライトシンポジウム「Current Status and Future Development of Tuna Aquaculture」(マグロ養殖の現状と今後の展開)を開催いたしました。
マグロ類の種苗生産技術から養殖の歴史、養殖実態、肉質の維持技術、世界のマグロ養殖経営分析まで、幅広い分野の合計10題の講演が行われ、WFC参加者・水産庁、県他行政担当者・業界・研究者・学生・一般まで幅広い方々、合計111名の参加をいただき、活発な質問、議論がなされました。

プログラム・要旨(英語および日本語訳)は以下を参照ください。 http://tuna.fra.affrc.go.jp/event/WFCSatelite.htm

セミナーでの発表の様子

会場から質疑がありました

















2.国際アサリシンポジュウム -資源増殖と管理-
 10月25日(土)に横浜・福浦の中央水産研究所で第1回国際アサリシンポジュウムが開催されました。アメリカ、カナダ、中国、韓国、ブラジル、インド他9カ国の研究者を含め合計64名が参加しました。いまや世界で生産されるClam類では最重要種となったアサリですが、アメリカの広大なアサリファ-ムの紹介や中国、韓国での問題などについて情報交換をしました。また、ポスタ-セッションでも熱心な議論がなされるなど今後ともアサリの情報交換の場として継続することになりました。

ポスターセッションの様子

国際親善会で談笑する出席者

















3.水産物の安全性に関する国際シンポジュウム
 10月27日(月)に横浜・福浦の中央水産研究所で、①有害物質・汚染物資の生物濃縮メカニズム、②有害物質の分析評価法、③トレーサビリティシステムによる食品安全性の確保など、水産物の食品としての安全性に関する最新の研究動向を各分野の専門家が報告するとともに、今後の研究課題を議論しました。

セミナーでの発表の様子

セミナーに参加した皆さん

















○その他の多彩なイベント
4.公開市民講座
 10月25日(土)、横浜市開港記念会館講堂において、WFC横浜開催を記念し、一般市民の方々に向けた市民講座が開催されました。テーマは、「水産物貿易の現状と安全安心日本の水産の未来」です。WFCのため来日したノルウェーの国立食品栄養研究所、アンネ・ハンダーセン博士による、ノルウェーの養殖サケに関する安全確保の徹底したモニタリング体制などの紹介を始め、当センターの中央水産研究所・山下食品バイオテクノロジー研究室長による水産物トレーサビリティと安全性確保の紹介、水産庁の遠藤水産物貿易対策室長による水産物貿易を巡る昨今の状況と水産資源の持続的利用に与える影響や、東京大学海洋研究所の渡邊教授によるこれからの水産業として、水産資源の現状を踏まえ、持続的利用のためにいま行うべき沿岸域の生産力の保全や温暖化への対応など、わかりやすく、興味深い内容が講演されました。

アンネ・ハンダーセン博士による講演

東京大学海洋研究所の渡邊教授による講演

















5.WFC共催展示
 10月21日~23日の間、パシフィコ横浜3階会議室で水研センターが取り組むまぐろ関係の持続的利用のための資源管理や、技術開発の紹介をパネルにて展示したほか、まぐろはえなわ漁業における海鳥や海亀混獲防止の取り組みを紹介する映画、実際に使われている釣り針、染色餌も展示いたしました。また、最新の研究成果として親ウナギの捕獲のトピックスも動画で紹介いたしました。

水産総合研究センターブース

親ウナギ捕獲時の動画に群がる人たち

















6.中央水研エクスカーション
 10月20日に各国の研究者19名が来所し、3グループに分かれて衛星データ、プランクトン自動解析、遺伝子検査など、所内の施設で最新研究トピックスについて説明を受け、また休憩時間にはパネルやビデオにより各研究部業務の紹介を行いました。

珍しい魚のはく製に興味津々

参加者全員で記念撮影

















7.蒼鷹丸一般公開
 10月22日と23日に横浜新港5号岸壁で中央水産研究所漁業調査船蒼鷹丸を一般公開しました。WFC関係72名、一般514名、計586名の来場者に、漁業調査船の役割、蒼鷹丸の操船・居住設備、海洋環境調査・資源調査の機材や調査方法を紹介しました。

漁業調査船「蒼鷹丸」

ブリッジ内での見学の様子