広島で開催されたPICES-2012

 2012年10月11日から21日に広島県広島市の広島国際会議場で、「北太平洋海洋科学機関」(North Pacific Marine Science Organization)の2012年年次会合(PICES-2012)が開催されました。

 PICES は1992 年に設立された海洋科学機関で、国際海洋探査協議会( ICES:International Council for the Exploration of the Sea )がモデルとなっています。ICES は、バルト海や北海を含む北大西洋を対象としているのに対し、北太平洋海洋科学機関は、北太平洋を対象としていることから通称Pacific ICES( PICES )と呼ばれています。

 PICES には日本、韓国、中国、アメリカ、カナダ、ロシアの6カ国が加盟し、北緯30 度以北の北太平洋とそれに接する海域の生物資源や生態系と環境、気候および人為的な影響との相互作用などに関する研究の促進と、そのための国際協力を行おうとするものです。今回の会合は、日本国政府が主催し、水産総合研究センターがPICES 事務局と協調して開催のお手伝いをしました。また、広島市および広島観光コンベンションビューローからは、財政面を含めた多くのご協力をいただきました。

 15日の開会式では、主催国・協力機関を代表して、水産庁増殖推進部の香川部長と当センターの松里理事長からあいさつがありました。開会式後には、当センターの和田理事から「人間-海洋の結合システムの回復力と持続可能性-東日本大震災を越えて」と題した基調講演が行われました( 写真1)。

 15日会合終了後に開催された政府主催レセプションでは、広島市の松井市長および外務省軍縮不拡散・科学部国際科学協力室の高橋室長からのあいさつに続き、廿日市市の「烏神太鼓」の演奏がありました。外国からの参加者の太鼓の演奏体験もあり、たいへん好評でした(写真2)。

 開催期間中は天候にも恵まれ、PICES 加盟国6カ国を含む22カ国から450人の参加がありました。研究発表では口頭発表が263 件、ポスター発表が150 件あり、活発な討議が行われました。なお、次回のPICES年次会合は、来年の10月にカナダのナナイモ市で予定されています。

 そのほか、PICES、当センター瀬戸内海区水産研究所および水産庁の共催で、一般市民を対象として瀬戸内海の環境の再生や保全のための研究を紹介する市民講座「里山・里海としての瀬戸内海について」を、13日に広島県情報プラザ多目的ホールで開催しました(写真3)。漁業者、学生など市民の皆さん約60人の参加がありました。里海研究の第一人者である九州大学の柳教授をコンビナーとしてお迎えし、瀬戸内海での里山・里海としての環境再生や保全を図るための研究や事例の発表がありました。アマモ場再生の方策や瀬戸内海のこれからについてなどの意見も出され、活発な意見交換がありました。