プレスリリース
平成25年 7月26日
独立行政法人水産総合研究センター
独立行政法人水産総合研究センター
養殖ブリ人工種苗の早期生産に成功
~ブリ養殖の赤潮被害軽減に活路!!~
~ブリ養殖の赤潮被害軽減に活路!!~
- 赤潮被害が発生する時期より早く養殖ブリを出荷するため、約半年早い季節に採卵し、大量の人工種苗を生産する技術を開発しました。
- この早期人工種苗を温暖な種子島で育成して、同時期の天然の種苗(5~10cm)より大きな養殖ブリの種苗(15~20cm)を得ることに初めて成功しました。
現在のブリ養殖は、天然の種苗に依存しているため、出荷は主に2年目の秋以降となっています。出荷直前の夏は赤潮の発生時期と重なるので、時に大きな漁業被害が発生します。このため、養殖業界から、ブリの種苗を人工的に早期に生産・育成することで赤潮発生前の出荷を可能にすることが強く求められてきました。
(独)水産総合研究センター西海区水産研究所では、ブリ人工種苗の早期生産技術開発に取り組み、平成23年には飼育環境条件を調整することで、従来の産卵期より半年早い11月に産卵させ、平成24年3月には人工種苗を12cmにまで成長させることに成功しました。
この人工種苗は種子島に輸送し、鹿児島県東町漁業協同組合と鹿児島県の協力の下で、平成24年4月中旬に20cmまで育成し、同時期の天然種苗に比べると著しく大きな人工種苗を得ることに初めて成功しました。その後、これらの種苗は東町漁協の養殖場における約1年間の養殖試験を経て、本年7月には4kgを越えた出荷可能サイズとなりました。
現在、農林水産技術会議の委託プロジェクト研究において、早期人工種苗を低コストで安定的に生産するための技術開発に取り組んでおり、今後は採算性の大幅な向上と産業レベルでの種苗量産・供給体制の構築を目指します。
本件照会先:
1.早期ブリ採卵、種苗生産試験
2.種苗育成試験
1.早期ブリ採卵、種苗生産試験
独立行政法人 水産総合研究センター(FRA) | ||
西海区水産研究所 資源生産部部長 | 有瀧真人 | TEL:095-860-1628 |
研究推進部研究開発コーディネーター | 栗田 潤 | TEL:045-227-2716 |
経営企画部広報室長 | 杉崎宏哉 | TEL:045-227-2621 |
東町漁業協同組合 | TEL:0996-86-1200 |